「あの人」の視線、きちんと意識していますか?(レイアウトと印象付け編)


こんにちは。
今回はデザインにおける視線についてお話ししたいと思います。

バナーなどのデザインをするとき、よく人物モデルの写真を使うことがありますよね?
そのとき、あなたはきちんと視線を意識できているでしょうか?
……といっても、ユーザーの視線ではありません。

モデルの視線、意識できていますか?

ユーザーの視線について考えることは、人物モデルの写真を使う使わないに関わらず大切なことです。それについての説明はまた別の機会といたしますが、今回は人物モデルの視線について考えてみたいと思います。

視線の先には何があるか

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今回も簡単なバナーを制作しながらお話ししていきます。
最初のステップとして、まずはブライダルの写真と文字を入れてみました。この段階ではごく単純なレイアウトです。

では、この場合だとどうでしょうか。

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先ほどと比べて、視線の流れが長くなったように感じませんか?
想像が少し広がる、と言い換えることもできるかもしれません。
1枚目と2枚目の画像の違いは何か。
それは、「モデルの視線の先に何があるか」ということです。

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最初の画像では視線の先に文字があるため、

モデルの顔 → 文字(ここが終着点)

という視線の流れになります。
対して2枚目の画像では、視線の先が見切れて何もありませんよね。

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つまり、ユーザーの視線の流れが、

文字 → モデルの顔 → モデルの視線の先(ここが終着点)

と、最初よりも長くなっているのです。

レイアウトは「伝えたい内容」で決める

このように、文字とイメージ、どちらを左右に置くかによっても、ユーザーの受け取る印象が変わることがわかりました。
では、それぞれの配置はどのようなときに使うのが望ましいでしょうか。

最初の画像のように目線の先に文字がある構図は、「キャッチコピーを目立たせたい、印象に残したい」場合に効果的です。
例えば、新商品の名前など短い単語やフレーズを覚えてもらいたいときに使えますね。

また、2枚目の画像のように目線と文字の方向を違える構図は、「モデル本人が存在している場の雰囲気を感じ取ってもらいたい」場合に使えます。
例えば、形を持たないサービスや施設など、体験することで対価を支払う商品に対するユーザーの想像を掻き立て、膨らませることができるでしょう。

ユーザーは彼(彼女)が見ているものを見る!

ユーザーがデザインを通して見るもの、それは人物モデルが見ているもの、と言い替えることができるかもしれません。

もちろん、バナーやメインビジュアル、デザインするものの大きさや素材によっても左右されますが、より良いデザインを行うためには、彼(彼女)の視線もユーザーと同様、大切に扱ってあげるようにしましょう。

最後に少しだけ付け加えますと、あなたが考えたキャッチコピーをいったい誰が発しているのかを決めるのも、彼(彼女)の視線なのです。それについてはまた次の機会に、バナーの続きを作りながらお話しいたします。