デザインにもアートにも、なにかしらの性別「らしき」ものが存在します。
(「らしき」としましたのは、人類すべてが生物学上「男」と「女」のどちらかに必ず分類できるものではないからですが、その話についてはここまでにしておきまして。)
皆さんもデザインやアートに触れたとき、「この色使いは男性的で荒々しい」「この絵柄は女性が好きそうだ」などと感じたことがあるのではないでしょうか。
今回は、文字における『性別「らしさ」』についてお話します。
この商品のターゲットは誰なのか?
では問題です。
これからお見せする画像は、一体誰に向けた広告でしょうか。
ロゴ参考:日本コカ・コーラ株式会社「いろはす」(http://www.i-lohas.jp/)
今回は、性別問わず利用する商品として、架空の会社が発売するミネラルウォーターのバナーを作成してみました。
では、それぞれが誰をターゲットにしているかを考えてみましょう。
ずばり、その答えは……
上が「仕事とプライベートを両立したい働き盛りの男性向け」
下が「ちょっとオシャレな生活がしたい若い女性向け」でした!
いかがでしたか?ご自分の考えと同じだったでしょうか。
文字にスポットライトを当てるだけでも、たくさんの「性別『らしさ』」が隠れている
では、それぞれのバナーについて説明します。
上の男性向けバナーの文字はこんな特徴がありました。
- ・文字間が詰まっている
- ・それにより余白が少なくなっている
- ・ゴシック体などの角ばったフォントを太くする
- ・サイズは大きく、縦横比は横長(140%)にする
相対的にですが、男性「らしさ」を強調したい場合は、力強くどっしり構えた印象を持たせるようにフォントや配置などを考えましょう。
そして、下の女性向けバナーの文字にはこんな特徴が。
- ・文字間が上と比べて詰まっていない
- ・それにより余白が多くなっている
- ・明朝体、フォーク体などの流れるようなフォントを細めにする
- ・サイズは上よりも小さく、縦横比は縦長(95%)にする
つまり、男性「らしさ」とは反対の特徴にすると、女性「らしさ」を強調することができます。
文字以外にもたくさんある「性別『らしさ』」
今回は、初心者の方にも分かりやすい「文字」についてを取り上げました。
意図を伝えたいときは、まず文字を調整してみるとすんなり方向性が見えることがあるので、活用してみてください。
最後に、実を言うと今回はバナーをあえてモノクロにし、色が与える影響を取り除いていました。
ご存知の通り、色が占める影響も、文字と並んで非常に大きいからですが、そのお話はまたいつか。