こんにちは。
最近は具体的なデザインの仕方についててご紹介していましたが、今日はターゲットを限定したデザインについてお話ししたいと思います。
同じモノでもたくさん見せ方がある
デザインには受け取って欲しい相手がいること、それはすでにご理解いただいていると思います。
文字の男性・女性「らしさ」についてお話ししたときもですが、同じ商品であったとしても違う相手に向けたデザインというのは存在します。
顔専用シェーバーのような明らかに使う性別が限られている場合でも、それを使う年代、シチュエーション、生き方ごとに異なる見せ方があるのです。
というのは、デザインの勉強をはじめた方なら必ず聞いたことがあるはずです。
デザインにおいて重視されているペルソナ
同じく聞いたことがあるのが、ターゲットのペルソナでしょう。
簡単にお伝えすると、商品やサービスを購入するターゲットがどんな人間か、本人の性格から年収、家族構成など具体的な内容を決めたものです。
もちろん、すべてのターゲットが当てはまるわけではありませんが、デザインにおける指針を固めることができます。
以前作成したミネラルウォーターのバナー、下の男性向けデザインを行った際のペルソナをお見せします。
【名前】 尾上 明宏
【年齢】 29歳
【職業】 製造会社営業(正社員)
【家族構成】 妻:智子(28歳)
【配偶者の職業】 アパレル接客(正社員)
【世帯年収】 780万円(明宏:500万円 智子:280万円)
【平日の昼食】 外食(予算600~800円、コーヒー・菓子代含む)
【勤務内容】 営業で週3日程度外出することが多く、移動中にコーヒーやミネラルウォーターを買うことが多い
【趣味、好きなこと】 読書や映画など、新しい情報には敏感である。新製品は飲料であれば積極的に試す。
【現在の悩み】 仕事にやりがいは感じているが、もう少し年収を上げたい。営業でのストレスを上手く解消したい。
【休日の過ごし方】
午前10時前後まで就寝していることが多く、起床後は部屋の掃除とメール確認、プレゼン資料作成などの業務を行う。それがない場合は妻とカフェに出かけたり、近隣のショッピングモールに出かけることもある。
これでもまだまだ少ない方だと思います。
場合によっては容姿のイメージ画像を入れる場合もありますね。
これを作成しておくと、少なくともデザインを見た際に、ターゲットが「自分に向けた商品ではないな」と感じてしまう恐れは限りなく減ります。
こんなに便利なペルソナをおすすめしない理由
「ペルソナを作るとデザインを作る時もスムーズだし、チームで作業するときも便利だし、なんで作っちゃダメなの?」
もちろん、作っちゃダメだなんてことはありません。
おすすめしないのは、「作り込み、信じ込む」ということです。
例えば、上のペルソナを使用して、特設サイトをデザインしたとしましょう。
すると、サイトカラーはこんな感じでしょうか。
細かい部分を決めていないので、ミネラルウォーターの清涼さとロゴカラーの緑色、一番強調したい部分に引き立つ赤色を考えてみました。
でも、考えてみてください。
このバナーやサイトカラーを使ったデザインを見た女性のターゲットは、果たしてこの商品を買おうと思うでしょうか。
一番獲得したいペルソナに頼りきり、寄せてしまうデザインは他のターゲットを遠ざけてしまう可能性があるのです。
バナーなら短時間で差し替えることもできますが、サイトデザインにはより多くの労力がかかっています。
だからこそ、慎重になりたいものです。
おすすめは、ペルソナを作って「少しぼかす」こと
それを避けるためには、ペルソナをターゲットの種類だけ作ることも考えられますね。
そこからそれぞれでサイトカラーを決めて、場合によっては中間色を取ってきたり色を寄せる。
つまり、作りあげたペルソナを「少しぼかす」ことです。
あなた自身や制作を依頼してくださったお客様がどんな人に見てもらいたいと考えているのか、きちんとお互いに意見を交わした上で、「理想のぼかし」をかけてみてください。