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今回はクリムト「アッター湖のほとり(1900年)」について記載してみます。
「アッター湖のほとり(1900年)」。題材の湖は、ザルツブルグ近くのオーストリア中部に位置し、南北約20kmに伸びる、エリア最大の湖になります。毎年、夏になると、クリムトが汽車と馬車でやってきた場所です。2012年、クリムト生誕150周年を記念して、湖のほとりに美術館ができました。山に囲まれた、静けさを湛えた風景は、今も昔も同じままです。描かれた、そっとさざ波立つ水面にうっすら日の当たる光景は、永遠に続いてきた自然の営みを感じさせてくれます。
19世紀末の時代を挑発し続けたクリムトの画ですが、穏やかな自然との対話がこうした風景画を描かせたのでしょうか。恋人のエミーリエ・フレーゲと共に過ごす、湖のように流れる静寂な時間が反映されているようです。闘いだけでないクリムトの人間性が垣間見えます。晩年、この場所でクリムトは何を思ったのでしょうか。アッタ―湖の景観が、観る者を離さない風景画として、展示場所に深い安らぎを与えてくれます。
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