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今回は佐伯祐三「ラ・クロッシュ」について記載してみます。
芸術家の生涯を感ぜざるを得ない佐伯の作品の中に、1927年の「ラ・クロッシュ」があります。1回目の渡仏時代、憧れの画家ヴラマンクに、自信のあった裸婦像を“アカデミック!”と一蹴された直後に、失意の中で完成したと言われる作品ですが、罵倒されて帰った宿泊部屋が、ゴッホが最後を迎えた部屋だったというのも、何か因縁めいています。
佐伯の人生はゴッホのよう、風貌は芥川のように思えてなりません。ラ・クロッシュの意味は、時を告げる鐘を意味しています。まさに、ここからが彼の転機になった(決定づける画風が生まれた)わけです。石造りに表現される、堅い建物の外観には重々しいを、殴り書きのようなポスターの数々は踊るようなを感じる事ができます。ポスターの文字は、佐伯流の文字であり、佐伯書体と言っても過言ではない程、佐伯の画には登場しています。一目惚れするファンの多い佐伯の画を、この機会にぜひ、飾ってみませんか。
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