モディリアーニ ジャン・コクトーの肖像

モディリアーニ ジャン・コクトーの肖像

 モディリアーニとも交友のあった、芸術家ジャン・コクトーの肖像画です。
 顔と首が異様に長い、独自の人物画で、片方の瞳を描き込まないモディリアーニらしい作品とで、若き頃の詩人・劇作家として活躍したジャン・コクトーの聡明な姿と特徴的な高い鼻がよく描かれています。

 この絵を描かれた年の1916年ごろからは精力的に活動を始めるようになりましたが、その一線を画す独自の様式は異端として評価されず、死して10年の月日がたち正当な評価を受けることになった悲劇の画家です。

 画面いっぱいに正面から描かれたこの絵からは、瞳の描かれた表情からはジャン・コクトーの律とした自身に満ちた姿を人物像から感じ取れ、「詩人」と呼ばれることを好んだ彼の語りを前にしているように感じます。
 しかし、瞳の描かれていない表情からは厳しく見定めるような、どことなく虚栄心を見え隠れさせるようにも見え、その合わさった顔からは、その人の外と内面を表しているようです。

■ モディリアーニ ジャン・コクトーの肖像  ■ 

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