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今回は「クリムト後期の作品”乙女たち”」について記載してみます。
クリムト後期の作品であるこの「乙女たち」は、金色を使い一時代を築いた後に、新たな色使いや作風を模索し辿りついた表現で描かれています。
塊となった7人の乙女の姿は若く、その肌の色は透けるように美しく、指先からも意志を感じるほど繊細です。乙女たちは笑顔ではなく、しかし苦しみもなく、恍惚ととろけて行ってしまうような表情で、何ともいえない色香が漂っています。包まれているような混じり合っているような形や色は、無秩序で複雑で、混沌とした彼女たちの意識のようでもあります。濃い色の背景からぽっかりと浮かび上がっている彼女たちは、どこへ漂っていくのか、不思議な気持ちになる作品です。
乙女と呼ばれる年代の女性が持つ、その頼りない不安な感じと、でも眩しく生きている感じが、見事に表現されています。乙女たちの光るような肌と美しさ、クリムトらしい模様や色彩など、何度見ても見飽きることがなく、インパクトのあるインテリアになる作品です。
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