ルノワール 桟敷席

“ルノワールは多くの肖像画を描きましたが、これもそのひとつで、とてもかわいらしい少女が描かれています。しかもその身なりからは裕福な家庭の少女であることがうかがえます。ふっくらとした紅色のほほに白く輝く肌、うっとりとした表情で恋に思いふけっているかのようです。ルノワールのやわらかな色彩とタッチが美しくも気高い少女にマッチしています。
男性にもかかわらず、身に付けている帽子や服のレースの細部に至るまで、質感にもこだわって描いていることに感心しますがそれもそのはず、ルノワールの父は仕立屋で、母はお針子さんという環境で育ちました。幼少期からドレスのような衣類には馴染みがあったというわけで、描き分けもお得意だったようです。

このレースの帽子は、「花を飾る少女」など他の複数の作品でも描かれています。
当時、帽子は日傘と同様、実用面でも大切な装飾品でしたが、キリスト教において、女性の髪は性的な意味が含まれていて、外出時は必ず着用が必要だったということです。常に髪を束ね上げていて、寝室以外で髪を下ろすことはなかったそうです。

そう考えるとこの絵の少女が何を思っているのか、さまざまな想像が膨らみますね。

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【今回ご紹介した画家】
・ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841年2月25日 – 1919年12月3日)
・フランスの印象派の画家、人間に魅せられ人間を多く描いた画家。

【絵画販売ドットコムでのルノワールの代表的作品】
ルノワール:ムーラン・ド・ラ・ギャラット
ルノワール:ピアノによる娘たち
ルノワール:イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢の肖像
ルノワール:アニエールのセーヌ河
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