アザミといえば大地の野に咲くトゲのある花として知られていますが、攻め入った兵士たちがアザミのトゲに阻まれ進めず国を守ったとう言い伝えからスコットランドの国花になっています。
アルル時代に300点以上もの絵を描いたゴッホですが、精神を病みながらも人生の終焉に描いたのがこのアザミの花です。トゲで周りを攻撃し自分を守ろうとする花に自分を重ねたかのように、太い筆で力強く表現されています。
大地から切り取られ徐々に枯れていく運命の草花をながめゴッホ自身の命も切り取られたかのような漠然とした不安の中、画面には狂気と希望が交差しています。
花瓶の手前にだらりとたれる萎えた花や、緑の中にところどころ混ざる枯葉は既に心の不安定な闇のあらわれでしょうか。しかし背景や机の色は透明にも思える程とても澄んでいてゴッホ自身の純粋な魂を感じます。
黄色を好んでいたゴッホですが、ゴーギャンを切りつけ、自分自身で耳を切り落とし傷つけた果てに見たアザミの花の濃い青紫色は悲しみと共に深く心に染み入っていったのかもしれません。
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ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ (1853年3月30日 – 1890年7月29日)
ゴッホは、自身の熱い思いを伝える激しい筆遣いと鮮やかな色彩は独特な絵画スタイルで知られ、
その劇的な生涯と共に世界中で最も人気を集める画家です。
【絵画販売ドットコムでの代表的作品】
ゴッホ:ひまわり
ゴッホ:夜のカフェテラス
ゴッホ:アルルの跳ね橋
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