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今回はクリムト「アデーレ ブロッホ バウアーの肖像」について記載してみます。
クリムトの「アデーレ ブロッホ バウアーの肖像」と呼ばれる肖像画は二つあり、どちらもウイーンにあるオーストリア美術館に所蔵されています。1907年に制作された一作目の作品と、1912年に制作された二作目の作品と画風が明らかに違っているのが分かります。ほんの数年の間ですが、全く違った色彩感が表現されているこの二つの作品に驚嘆の意を隠せません。
一作目が象徴主義の特徴が顕著に表われ、日本やエジプトなどの芸術の要素を取り入れたクリムト特有の金色の色調で彩られた作品に仕上げられているのに比べ、二作目はより多彩な色調を取り入れ、人物の周りに花を散りばめたり、東洋風の建物や人物などが背景の模様として描かれていて、クリムトの遊び心のようなものが感じる作品に仕上げられています。この二つの大作の作風の違いから、晩年に向かうにつれ、恐らくクリムトの内面や芸術性にも大きな変化が訪れていたのかもしれません。これらの作品は、応接間やリビングルームなどに二枚一緒に飾ることで、さらにゴージャスな空間を創り出せるのではないでしょうか。
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