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今回はシスレー「洪水と小舟」について記載してみます。
シスレーが１８７６年に描いた『洪水と小舟』は、洪水という非日常を切り取った中で美しい風景を表現しています。
洪水によってなみなみと水が湛えられた町は、驚くような美しい顔も持っています。空は明るく日常の陽光を降り注ぎ、水面に反映して、キラキラと輝かせています。その光の奥には、洪水の後の静かでクリアな水の様相も見て取れます。左の建物、奥にある木々の配置した構図が効果的で、広々とした中にもまとまりが生まれています。
洪水という人間にとっては非日常という事柄も、自然にとっては何も変わることない営みであり、木々や建物、小舟で非日常を漕ぐ人も、深い青をたたえる空や、澄んだ水という自然の前に静かにたたずんでいるようです。静かな街中でありながら、自然の強さと美しさを強く感じられる作品です。
空が１/３を占め、水面が非常に美しい風景画ですので、洋室やオフィスに飾りますと、室内に居ながら自然を感じることができます。絵画で心をクリアにしてみるのもいいのではないでしょうか。
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