クリムト「アッター湖のほとり」

絵画販売ドットコムのブログをご覧いただきありがとうございます、ブログ担当の松田です。
今回はクリムト「アッター湖のほとり」について記載してみます。

クリムト「アッター湖のほとり」クリムトといえば豪華絢爛な金箔や裸婦、男女の叙情ばかりを描いた作家と思われがちですが毎年夏を過ごしたアッター湖畔にて多くの穏やかな画風の風景画を残しています。

「アッター湖のほとり」もそのひとつです。印象派の画家たちの多くが水面に反射する光をきらきらと鏡のように表現したのに対しクリムトは細かいさざ波が動き続け、風と共に遠方へと連れ去るかのような「動」を表現しました。
水平線ははるか彼方にかすみ、ぼやけ、しかし画面右上の強い色がアクセントとなってなにかを思いとどまらせています。
心の恋人だったエミーリエと毎年アッター湖で過ごした夏はやすらぐかけがえのない時間でした。この作品はクリムトの心を震えるように小さく波立たせ続けながらも進むことのできなかった状況の現われでしょうか。

現実にある場所で描かれたにもかかわらず幻想的であり、非現実的な柔らかな色調の世界観、主張しない静かな風景はオフィスや店舗、居間など場所を選ばずお飾りいただけます。

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