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今回はゴーギャン「白い馬」について記載してみます。
ゴーギャンの「白い馬」は下から上へ流れるような連続的な曲線によって構成され、水平線はひとつも無く空間は表現されるというより暗示されています。水平面と垂直面、前景の水溜りと植物、背景の路と絡み合った枝はたがいに溶け合い、すべてが正面と真上から同時に見た遠近法で描かれています。この遠近法と馬の背中、木の葉、蔓の幹のねじれ、ゆがんだ平面は日本の浮世絵版画にその源が見出されます。浮世絵版画の平面的な逆遠近法はブルターニュ時代のゴーギャンの主たる様式でしたがタヒチでその影響は薄れていきました。ところがこの「白い馬」でゴーギャンは今一度かつての様式を思い出したかのように、やわらげられ改められたかたちでその様式を取り入れています。
この作品の主題である白い馬は一番写実的で木の葉の緑を透った光を受けて灰緑色で表現されています。この馬だけが孤立し騎手がなく全体の動的な構図の中で閉鎖的な構造をしているために、その神秘さと奇怪さが強調され、画面全体を覆っています。背後の馬と騎手は他の部分より強く肉付けされており水溜りと草原の光と肌理にはほとんど印象派といえる変化があります。
この「静と動」両方の要素をあわせ持つ幻想的な作品は、洋風和風どちらのお部屋にも合いますし、動物の愛らしさを好まれる方にもおすすめしたい一品です。
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