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今回は佐伯祐三「郵便配達夫」について記載してみます。
佐伯祐三はパリの街を愛し風景画を数多く残しました。しかし30歳で亡くなる少し前に人物を描き、少ないながらも強い印象を残しています。
佐伯は連日の雨の中にもかかわらず戸外で制作を続けたため発熱し、床に伏せっていました。小康状態になった時にある郵便配達夫と出会い、ひと目でその容貌の美しさを気に入りすぐさまモデルを頼みます。それが「郵便配達夫」です。
アーモンド形の目はまっすぐにこちらを見ていて、画面左上のフランス語がパリの雰囲気を伝えています。しかし不思議なことに左手にローソクを持ち、その白さは黒い服をバックに目を引きます。人物の周りは強調するかのように服の黒に反して白く縁取られています。身体は全体的に直線で構成され大きく傾きながらも、佐伯の心身の状態のように、かろうじてバランスを保っています。
この後精神も病んだ佐伯は森をさまよい保護され病院に送られます。
この人物が持つローソクの灯火は佐伯自身の命の炎だったのでしょうか。
パリの雰囲気を伝えるこの作品は、落ち着いた喫茶店などにおすすめいたします。
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