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今回はゴーギャン「純潔の喪失(春の目覚め)」について記載してみます。
偉大なるフランス象徴主義の巨匠ポール・ゴーギャン第3次ブルターニュ滞在期の最後を飾る代表作が『純潔の喪失:春の目覚め(処女喪失)』です。
この作品は黒髪の裸体の女性が道に寝そべり、そのそばには狐が描かれ、その女性の手にはシクラメンが握られています。
この狐に込められているメッセージは『淫猥や誘惑』だと言われており、また一本の赤い筋の入ったシクラメンは純潔の喪失というメッセージが込められていると言われています。
背景には草が描かれていますが、その葉の先が必要以上に不規則なのは、その少女の不安な心情が描かれているとされ、全体的な色合いもその少女の内面的部分を表しているようです。
また視線を右に動かすと、背景の中の道には人々の集団の列が描かれており、この一団はブルターニュ地方でおこなわれる結婚式と関連付けられていますが、これは少女の結婚を示しているというよりもむしろ対比的な皮肉が込められていると言います。
この症状は一体何を思っているのでしょうか、彼女の純潔は彼女の意思を持って失われたものなのでしょうか?
この女性のモデルは当時ゴーギャンと愛人関係にあったジュリエット・ユエという女性だそうです。当時彼女は画家の子を身ごもっていたと言います。彼女はその子をどんな気持ちで身ごもったのでしょうか。
そんなことまで考えてしまうほど、内面的な色彩構成はフランスが誇る象徴主義の巨匠ゴーギャンならではの作品といえるでしょう。
そして春の目覚めとは一体どういうことを意味するのでしょうか。
純潔の喪失と春の目覚め・・・この言葉が似て非なるものに聞こえて仕方がありません。
そんな不思議な美と妖艶さを持っている作品です。
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