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今回はセザンヌ「青い花瓶」色彩の調和について記載してみます。
近代絵画の偉大な父であるポール・スザンヌの初期を代表する静物画作品のひとつがこの「青い花瓶」です。
この作品の制作時期は1885~1887年と言われています。
この作品は、花の入れられた青い花瓶とその花瓶を中心に皿や、オレンジ色の果実が構成されています。
中央の少し左側にある青い花瓶は、強く濃く何度も重ねられた輪郭線によって描かれており、画面の中で圧倒的な質量感と形状的な存在感を出しています。
花瓶に入れられている三つの花や果実なども同様で、細部までこまかく描画されることはなく、ただ静物としての形態とその存在が非常に強調されています。
この作品で一番注目する点は、内包している形態で描かれているモチーフへの、真実性に対するスザンヌの途方もない探求が互恵的に関係しあって、お互いの存在を打ち消すことなく双方に存在感を明確に主張された計算的な配置です。
そこには伝統的な表現などをすべて取り去ってでも描く、力動的な描写は特に秀逸な出来栄えです。
ほかの代表的な静物画作品にみられるような複雑な画面構成とは一線を画した、簡素ながらも完成度が非常に高い静物の構成は、現在になっても私たちに感動を与えます。
また色彩の表現においても、背景の壁に溶け合うような花瓶の青い色や、対比する黄土色のテーブルや赤い花や果実などは、一枚の画面の中で見事な調和を示しています。
さらに意図的にゆがめられている形態の描写にも、セザンヌの独自的で革新的な絵画表現が表れており、対する画家の信念が感じられ、これらの特徴はナビ派の画家たちを始め、パブロ・ピカソやジョルジュ・ブラックなどのキュビスムの画家たちなどや、アンリマティスなどのフォーヴィスムの画家たちなど、多くの画家たちに多大な影響を与えました。
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