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今回はセザンヌ「サント＝ヴィクトワール山」について記載してみます。
後期印象派の巨匠ポール・セザンヌ。
セザンヌの晩年の典型的な風景画作品のひとつが「サント＝ヴィクトワール山」です。
セザンヌは、故郷のプロヴァンスから見えるサント＝ヴィクトワール山をいくつも描いていますが、「サント＝ヴィクトワール山」はその中でも、セザンヌが苦心して確立させた自身の絵画様式の特徴が顕著にみられる作品です。
サント＝ヴィクトワール山が光を浴びて輝いている姿が中央に描かれており、絵画全体に重量感と安定感をもたらしています。
それでいて手前の緑の木々は自然的な動きを与えており、絵画にリズムを持たしています。
静と動の二つの対比が、シンプルな造形と構成によって、見る私たちに最も効果的に伝わるようになっています。
画面下の大地の黄色から木々の深い緑、山の淡い青、そして青空へ、と色の変化がひとつの流れを持ち、全体として自然に溶け込んでいるような印象を与えています。
「サント＝ヴィクトワール山」は、セザンヌの愛した故郷の雄大な自然の美しさを、感じる事のできる作品です。
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