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今回はミレー「晩鐘(ばんしょう)」について記載してみます。
バルビゾンの馬鈴薯畑で、教会から聞こえる夕刻の鐘に合わせて、農作業をする夫婦が祈りを捧げている様子が描かれています。
背景には緑が豊富な麦畑を描いているのに対して、夫婦の立つ畑には枯れた土地と収穫されたと思われるじゃがいもが数個あるだけです。
ミレーはこの作品でも『落ち穂拾い』のように「貧しさ」と「裕福」を対照的に表現したのではないのでしょうか。
「晩鐘」は、ミレーが幼いころに畑で農作業をしていた祖母が、いつも夕方に鳴る教会の鐘とともに帽子を脱ぎ、祈りをするように言われたことを思い出して描いたものだといわれています。
ミレーは聖書を愛読するだけで、教会には殆んど足を運ばず、宗教心はあまり無かったようです。
死を連想させるカラスの群れが右上に描かれていますが、左の輝く夕日には温かさが感じられ、単なる宗教的作品が表現されているのではなく、ミレーが祖母や母の死に目に会えなかったことに対する深い愛情と悲しみが籠められています。
愛情にも満ちたこの作品を見て、ご家族への思いにふける夕刻を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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