グスタフ・クリムト「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」

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今回はグスタフ・クリムト「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」について記載します。

グスタフ・クリムト「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」

彫刻家の父を持ち工芸学校にて石膏像のデッサン、古典作品の模写を中心とした古典主義的な教育を受け、ウィーンの美術史美術館の装飾の仕事などを行ったクリムト。

しかしある事件を機にクリムトは古典的、伝統的な美術からの分離を標榜する若手芸術家のグループウィーン分離派に属するようになりました。

上流階級の婦人たちの肖像画を多く手がけたクリムトの作風は妖艶で官能的です。
甘美で妖艶なエロスが感じられるが恍惚とした表情の女性は同時に死の表情にもつながり死の影が透けて見えてくる様。

「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」は装飾美が見どころであり自然主義的な写実表現と、豪奢で華麗な装飾性を融合させた、クリムト独自の表現・様式美の頂点そのもの。
エジプト美術からイメージされた三角形と目のドレスを始め、アデーレの羽織った衣、大小の円形で構成される模様は、平面なのにリズムよく並べられ見るものを魅了する美しさです。例えるなら日本の着物や帯のようだと感じるのは私だけでしょうか。

クリムトは日本芸術にも影響を受けたといわれていて、アデーレが座る椅子の唐草模様はその象徴です。

妖艶で官能的なアデーレと装飾の美しさに心囚われてしまいますね。

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