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今回はゴッホ「夜のカフェ・テラス」について記載します。
ゴッホにとってなじみのあるいろである黄色と青色の対比が美しい「夜のカフェ・テラス」
カフェの暖かく明るい光の奥にはじっと見つめるのが怖くなるような深い青、そのうえには満天の星空。
こんなにも色彩豊かな絵はどのように描かれたのでしょうか。
ゴッホの表現を支える要素の一つとして、補色に関する色彩理論があります。
赤と緑、紫と黄のように色相環で反対の位置にある補色は、並べると互いの色を引き立て合う効果があるとシャルル・ブランの著書を通じて理論を理解していました。
また南フランスのアルルにいた頃には、「二つの補色の結婚によって二人の恋人たちの愛を表現すること」、「夜のカフェ」においては、「赤と緑によって人間の恐ろしい情念を表現しよう」と考え補色を意味もたせるための表現方法として取りいれていました。
ゴッホはアルルにて画家仲間ゴーギャンを迎え共同生活を送っていました。
共に暮らすための準備をし、ゴーギャンを待つなかこの作品を描きました。
灯りの中客でにぎわう黄色と青く美しい星空との対照にはゴッホの心の中の葛藤が表現されているのでしょうか。
ゴッホはこう述べています。
「ランタンが素晴らしい黄色の光を放ち、店の正面やテラス、歩道、道路を照らしている。切り妻造りの家々は、星が散りばめられた青い空の下の道が暗がりへ続くように、暗い青やすみれ色、そして緑色の木が配されている。この夜の絵には黒は使われていない。美しい青、すみれ色、緑、周辺は淡い黄色と淡黄色の緑を用いた。」
ゴッホが何を考え、どのような意味を持たせてこの絵を描いたのか
思いを馳せながら眺めるのもいいのではないでしょうか。