こんにちは。絵画ブログをいつもご覧いただきありがとうございます。
今回は『絵画販売ドットコムでは売ってない、オークションでのバスキア絵画』についてです。
前澤友作社長の話です。ゾゾタウンの社長さんです。
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が、ジャンミシェル・バスキアの絵画を落札したニュースから、バスキアというアーティストについて書かせていただこうと思います。
このバスキアの「Untitled」は、10日夜にニューヨークで開かれたクリスティーズの現代美術オークションで日本円で約62億円で落札されました。前澤友作社長は近々自身の出生地である千葉市内に私設美術館の設立を予定しているそうで、そのための作品集めを10年前から行っており、今回落札されたバスキアの作品も展示される予定だそうです。
前澤友作社長はこの作品について、
「作品のコンディションや投資を念頭に置いたリセールバリュー云々ではなく、彼のカルチャーや生き様を理解して、後世にこの作品を受け継いでいくという重要な責任があると思っています。この作品は1985年に行われたバスキア初の日本での展覧会で展示されたこともあり、日本にとって歴史的な意味を持つ作品です。」
と語っています。
バスキアは27歳の若さでこの世を去った、伝説の天才画家であり彼の作品はまさに路上から生まれた大衆のポップアートと言われています。黒人であるバスキアの作品にみられる「人種差別」というテーマは、幼少期母親に渡された『グレイの解剖書』という書籍を読んだときに感じた、「どうして本の中に出てくる人の肌はみんな白いんだろう?」「肌の色は違ってもみんな中身は一緒だ」と感じた体験から生まれました。
高校生になり問題児だったバスキアは、建物や地下鉄にスプレーで落書きを描いていましたが、その落書きが哲学的な詩や、創造性を感じるイラストで構成されていたそうです。
バスキアの才能が爆発したのも、人種差別にシビアなアメリカの、ストリートアートが盛んなブルックリンで育ち、アンディ・ウォーホルと同時代を過ごすなど、様々な条件が噛み合ったからではないかと思います。
私の家の近所のトンネルの中にも、地元のヤンキーがスプレーで描いた落書きがありましたが、描いては消され、消されては描き、のいたちごっこで結局トンネルは真っ白になっています。
日本のヤンキーがトンネルに描くスプレーアートの中にも、創造性が感じられるものがあるかもしれませんが、しがない田舎の街で勝手に自己表現をするのは難しいのですね。アメリカと日本の文化の違いや、日本でのアートやアーティストという生き方の許容量の違いも感じました。
アートは内面を表現するので表現ばかりすると最後は内面が空っぽになります。バスキアの作品を見るとひしひし想いが伝わりますね。
絵画販売ドットコムでは有名な画家の模写なのでオリジナルではないのですが、当時の画家が描きたかった世界感や想いを表現するのはとても大事なこと。そんな絵画作品を心がけています。