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本日の絵画ブログは、柿本胤二さんについて書かせていただきます。
終戦の日
8月15日は終戦の日でした。
先日の金曜ロードショーでも、昨年の戦後70年に公開された『日本でいちばん長い日』が放送されました。
太平洋戦争が元になった作品といえば、岡田准一さんが演じる零戦乗りの兵士の生涯を描いた『永遠の0』などのヒットも記憶に新しいです。
終戦の日になると、こうやって映画や小説、ニュースなどで取り上げられることで、私たちは戦争があったことを思い出します。
天皇が自らポツダム宣言を受諾した1945年からもう70年以上の時が経ちました。
そして今もなお、戦争の悲劇を伝えるため絵を描いている人物画います。
戦争の悲劇を描く理由
柿本胤二さん(91)は、当時のアジア太平洋戦争末期、メレヨン島(現在のミクロネシア連邦ウォレアイ環礁)で兵士として過ごした記憶を絵に残しています。
メレヨン島には物資が全く届かず、日本の兵士たちのほとんどが栄養失調などの戦病死でした。
絵が趣味だった柿本さんは、兵士たちの鎮魂のためメレヨン島をテーマに油絵を描くようになり、
「名もなく死んでいったたくさんの兵士たちがいたことを知ってほしい」と
絵はがきにしたり、小さな画集にしたりして、遺族たちにも配ったそうです。
絵は全部ひとりで完成させられることもあり、他の媒体よりもずっと個人的な気持ちを込められます。
戦友の供養のために描いた柿本さんの油絵は、柿本さん個人の記憶の中にある光景を、そのとき感じていた感情もそのまま描かれています。
また、絵の具を重ねていく油絵は、柿本さんも筆を置いていった手の動きなどの身体性を写し出し、それが実体のある「物」として残ります。
実際に戦争を体験した人の、想像ではない実際自分の目に映った光景を残してくれるのはとてもありがたいことです。
柿本さんの絵を描く目的は、戦友の供養のためです。
絵を描く理由は人それぞれですが、自分のためでなく戦友のために描かれた絵は、淡々と文字でなぞる歴史とは違う、感情を伴った「人の体験」として戦争を感じさせることができるのではないでしょうか。
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