シスレーの『ポール=マルリの洪水』

絵画販売ドットコムのブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、アルフレッド・シスレーの『ポール=マルリの洪水』について書かせていただきます。

6枚の連作のうちの1枚『ポール=マルリの洪水』

今回ご紹介する『ポール=マルリの洪水』は、フランス生まれのイギリス人画家で、印象派の風景画家であるアルフレッド・シスレーが1876年に描いた作品です。
60cm×81cmのキャンバスに描かれた油彩画で、現在は、フランスのパリにある、オルセー美術館で所蔵されています。

1876年2月、パリの下流に位置するポール・マルリという町が、雪解け水によるセーヌ川の氾濫によって洪水の被害にあいました。
当時、近くの町に住んでいたシスレーは、キャンバスを抱えて、すぐに現場に向かったそうです。
『ポール=マルリの洪水』はその時に描かれた作品で、場所や時を変えて、洪水の被害にあったポール・マルリの街を6枚描いた連作のうちの1枚です。

シスレーは、災害の現場を記録するために、『ポール=マルリの洪水』やその他の連作作品を描いたわけではありません。
シスレーは、『ポール=マルリの洪水』を描く前にも、ポール・マルリの街を描いていました。
シスレーにとって、洪水も、霧や夕焼けのような自然現象と同じで、風景の変化の1つだと捉えていたようです。
その風景の変化を描くために、連作という形で本作を描いたのでしょう。
『ポール=マルリの洪水』は、印象派らしい作品ですね。

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