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今回は「クリムトの風景画”ぶなの森”」について記載してみます。
19世紀末から20世紀初頭、ウィーン・ルネサンス期に代表されるクリムトの希少な風景画作品の1つが「ぶなの森」。
第16回分離派展に出品されています。クリムトの風景画は、やはりクリムト独特の視線で描かれ、空というものが描かれません。正方形のキャンバスには、地平線が高い位置に配され、ぶなの木々が反復するように何本も描かれています。印象派の風景画とは全く異なる世界を持っています。静物画にも似た、シーンと静まり返るような淡々としたものを感じます。それでも、木々や草花は、1本1本に濃淡で主張を出しています。個々の集まりが森に通じるという成り立ちが確実にあります。個々の主張が対立でもあり、調和でもあり、不思議なクリムト空間を創り出しています。ぶなが何本もある反復の風景ですが、別の見方として、産業革命以降の機械化や複製技術の流れに関係しているのではないかという説もある程です。
謎解きの理解が幾通りも出てくるのが魅力です。クリムトファンに、飽きることがないと言わせるウィーン芸術を代表するクリムトの力量が表れています。静寂で寡黙な絵は、飾る場所を選びません。
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