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今回はクリムト「ふなの森」について記載してみます。
クリムトの「ふなの森」は、1902年に描かれました。正方形のキャンバス一面に広がる地面は真っ赤な落ち葉で埋め尽くされ、ふなの樹はひたすら幹のみを並べながら地平線の奥まで続いて行きます。幹の真っ直ぐさに、これからの季節を乗り越えていく生命力も感じられる作品です。直線的デザインが強調され、何かの規則性を持っているかのように飽きる事のない美しい空間が画面を支配しています。葉が散りゆき、秋から冬へとしんしんと流れる静かな時が見えるような風景画です。多くの樹も葉も邪魔になることがなく、調和しているのです。
このような写実的に切り取った作品にも、クリムトの非凡な才能を見出すことができるでしょう。ウィーン郊外の森の中でクリムトは何を考えて散策し、画を構築していたのでしょうか。同じトーンで配色されたこの作品は、落ち着いた空間づくりの演出にお役に立ちます。例えば、画と同じ森の中に建つ別荘のリビングにいかがでしょうか。あるいは、季節ごとの絵画の掛け替え時に1枚加えていただくのもいかがでしょう。
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