佐伯祐三「ロシアの少女」

絵画販売ドットコムのブログをご覧いただきありがとうございます、ブログ担当の松田です。
今回は佐伯祐三「ロシアの少女」について記載してみます。

佐伯祐三「ロシアの少女」郵便配達夫を描いた後、再び病床に就いた佐伯のところへひとりの少女が訪ねてきます。モデルの仕事はないでしょうか、と尋ねるその少女は、ロシアから亡命してきた貴族でした。1920年代のパリにはロシア革命後、亡命者が多数移り住みました。佐伯は渡仏の際、鉄道によるモスクワ経由の長旅だったことでロシアを身近に感じ、またロシア領出身のシャガールに感銘を受けていたので、彼女に仕事を与えました。それが「ロシアの少女」です。

祭り用の華やかなロシアの民族衣装を身に着け、服の模様のタッチからはすばやく筆を動かしていたことがうかがえます。斜めにうつむいた少女の表情はうつろで悲しげに消え入りそうでありながら、人物全体が浮き上がるように黒いラインで強調されています。力強いタッチで描かれた赤い頬が少女の幼さを表現し、背景も鮮やかな黄色ですが人物の左側は太い筆で描かれた黒い影があります。少女自身の影なのでしょうか。または佐伯自身の死期が迫っていたことの表れでしょうか。

少女のその後の生涯に思いをはせ、作者の最後の命の輝きを見ることのできるこの作品をお部屋に飾ってみてはいかがでしょうか。

絵画販売ドットコム(複製画)油絵の模写・通販
TEL:06-4792-8281 FAX:06-4792-8291
============================

関連記事一覧

アーカイブ

2013年8月
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
PAGE TOP