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今回はエゴンシーレ「ゲルタ・シーレの肖像画」をご紹介します。
この作品は、クリムトが若手芸術家らとともに開いたグループ展「クンストシャウ(総合芸術展)」に出展したものです。
顔を横に向け目を閉じているのは、作品名ともなった4歳年下のシーレの妹ゲルトルーデです。背景は塗りつぶされているものの彼女が身につけている洋服には、クリムトを意識したかのような宝飾が施されています。ほぼ正方形の画面の中央に、人物像を装飾した模様と一体化させて平板に描く描き方などに、クリムトの影響が感じられます。
凛として、芯の通った女性の強さ感じる反面、孤独や不安や弱い女性らしさも垣間見られたり、穏やかで温かい雰囲気も醸し出しています。
思わず語りかけて、ずっと見つめいていたくなる作品です。
『28歳でこの世を去った男エゴン・シーレ』（1890-1918）
エゴンシーレは、一般に言われる表現主義とは一線を画した独創的な作風を確立した画家。この作品も、作風を確立した際の初期の絵画の一つです。
独自の絵画を追求した。強烈な個性を持つ画風に加え、意図的に捻じ曲げられたポーズの人物画を多数製作し、見る者に直感的な衝撃を与えてくれます。
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