フィンセント・ファン・ゴッホの自画像

今回の絵画ブログでは、「炎の画家」という呼び名を持つフィンセント・ファン・ゴッホの自画像をご紹介します。

ゴッホは、19世紀末に生きたオランダ出身のポスト印象派の画家です。生涯を通して多くの自画像を描きました。
その中でも、現在大阪市立美術館で開催中の『デトロイト美術館展〜大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち〜』でも展示されている1887に描かれた自画像をピックアップいたします。

ゴッホは6人兄弟の長男として生まれ、中学校中退、16歳で画商に就職、22歳で解雇、その後ベルギー炭鉱地帯での伝道師活動などを経て、26歳で画家を志しました。そして、それ以降からは生涯、弟のテオからの仕送りで生活しています。精力的に自画像を描いたゴッホですが、特に1887年には多くの自画像を描きました。

ゴッホといえば、南仏アルルで耳切り事件が有名ですが、この自画像は精神を病んでしまう以前に描かれたもので、色彩の明るさが際立ちます。
ゴッホの絵は明るく鮮やかな色彩のイメージですが、ゴッホの色彩は年代によって変化を遂げています。ゴッホは1880年当初、炭鉱地帯での伝道師活動から「労働」をテーマに暗い色調の絵ばかり描いていました。
しかし、その後パリで印象派と日本美術に出会ったことで、明るい色調へと変化していきます。そして1888年、太陽の光が降り注ぐ南仏アルルへと移住します。

ゴッホが自殺したのは、長年自らの作品が評価されず、弟に経済的負担をかけ続けたことを苦にして、というのが定説となっています。ゴッホは「伝道師として挫折した私は、絵画を通じて、救い、救われたかった」という言葉を残しています。生前1枚しか絵が売れなかったにも関わらず、ゴッホが絵を描き続けたのは、宗教に目覚め、人に救いを与える存在になりたかったゴッホの最後に残された道であったからなのではないでしょうか。

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>> ゴッホ: 暗色のフェルト帽を被った自画像

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