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今回は、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの『アイリスの花瓶』について書かせていただきます。
ゴッホがサン・レミ時代に描いた『アイリスの花瓶』
今回ご紹介する『アイリスの花瓶』はオランダのポスト印象派の画家で、炎の画家とも言われたヴィンセント・ヴァン・ゴッホが1890年に描いた作品です。
現在はオランダのアムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館に所蔵されています。
『アイリスの花瓶』はゴッホが神経発作の治療のために滞在していたサン・レミで描いた作品です。この作品を制作した数週間後にゴッホは精神科医であったポール・ガシュのいるオーヴェールに向かいます。
ゴッホが『アイリスの花瓶』を描いた当時、ゴッホの精神状況は非常に不安定で危機的状況だったと言われています。
実際にこの頃ゴッホが弟のテオに送った手紙の中には「僕には新鮮な空気が必要だ。ここに居ては退屈と哀しみに押しつぶされてしまう」と書かれていて、ゴッホにとってサン・レミでの生活は苦しいものであったことがわかります。
そのような苦しい状況状況で描かれた『アイリスの花瓶』ですが、背景や花瓶に用いられた色彩からはゴッホらしい絵画に対する純粋さを感じることができます。
さらに太い輪郭線から力強ささえ感じることができ、アイリスの花がそこで生きているような生命の強さを感じることができる作品です。
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