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今回は、フィンセント・ファン・ゴッホの『アルルの寝室(フィンセントの寝室)』について書かせていただきます。
『アルルの寝室(フィンセントの寝室)』
今回ご紹介する『アルルの寝室(フィンセントの寝室)』は、1880年代後半のオランダを代表するポスト印象派の画家であるフィンセント・ファン・ゴッホが1888年に描いた作品です。
ゴッホが南フランスのアルルで暮らしていた時に、自分の寝室を描いたものなのですが、実はゴッホは、『アルルの寝室(フィンセントの寝室)』を3枚も描いています。
今回ご紹介している作品は、1枚目のものです。
72cm×90cmのキャンバスに描かれており、現在はオランダのアムステルダムにあるゴッホ美術館で所蔵されています。
2枚目は、1889年に描かれました。
73.6cm×92.3cmのキャンバスに描かれ、現在はアメリカ合衆国にある、シカゴ美術館で所蔵されています。
3枚目も、1889年に描かれています。
57.5cm×74cmのキャンバスに描かれており、現在はフランスのパリにある、オルセー美術館で所蔵されています。
この3枚の『アルルの寝室(フィンセントの寝室)』は、構図もよく似ていて、パット見ただけでは違いがわからないという方も多いでしょう。
まるで、間違い探しのようですね。
しかし、この3枚には違いがあります。
例えば、床の色が違います。
一枚目の作品は、床がバラ色のような明るい色で描かれていますが、3枚目の作品は、茶色がかった灰色で描かれています。
この床の色の違いは、当時のゴッホの精神状態が、影響していると言われています。
一枚目の作品を描いた当時のゴッホは、アルルに移り住み、ゴーギャンとの共同生活を待ちわびて作品を描いていた最も幸せな時期に描いた作品です。
一方で、3枚目の作品は、ゴーギャンとの共同生活が崩壊し、精神病院に入院していた頃に描いた作品で、かなり精神的に不安定な状態でした。
3枚目の作品を描いた、わずか10ヶ月後に、ゴッホは自殺をしているのです。
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