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今回はモディリアーニ「大きな帽子を被ったジャンヌ・エピュテルヌ」について記載してみます。
美術界の異端児とも言われることの多いアメデオ・モディリアーニの「大きな帽子を被ったジャンヌ・エビュテルヌ」は、彼の代表作のひとつでしょう。代表作の多くが肖像画で、妻をモデルにした作品も多数描いていますが、それらのなかでもこの作品には洗練された趣きがあるような気がします。この絵は大きなつばのある黒い帽子をかぶっている妻が、細く長い指をあごの辺りにあてている構図になっています。
作品全体に占める人物のボリューム具合や、帽子のつばの一部分のトリミングなど、全体のバランスが非常に整っていると言えるでしょう。どこか冷めたような感じのする目やアンニュイな顔の表情、そして細く縦長の顔や長い首といった、モディリアーニらしい独特なスタイルももちろん顕在です。
背景の配色ですが、朱色のような暖色の上部とグレーの下部が斜めの線で区切られているのがシャープな印象を与え、作品全体をすっきりと見せてくれているのでしょう。
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