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今回はゴーギャン「馬の頭部のある静物」について記載します。
ポール・ゴーギャンは、19世紀の後半から20世紀にかけて活躍した、フランスの名高い画家です。
絵を見ると、否が応でも、真ん中の馬のオブジェクトが目を引きます。明らかに人形や団扇とは距離感が違い、今にも絵から飛び出してきそうな迫力があります。
この立体感は、絶妙に計算されたオブジェクトの配置と影の濃さによってもたらされています。手前にあるアルバムと壁に取り付けられた人形、団扇がとても空間的に配置されていて、馬のオブジェクトの奥行きを巧みに表現しています。
また、平面から捉えられている場面なのに、馬のオブジェクトだけ斜めの視点から描かれているように見えます。複数の次元が一緒くたにまとめられたような、不思議な違和感があります。
違和感と言えば、オブジェクトの組み合わせも不思議です。日本の扇子と三つ折れ人形に、西洋のパルテノン神殿に由来した馬のオブジェクト。一貫性は感じられず、ユニークな組み合わせであると言わざるを得ません。
更に、彼としては極めて珍しく、この絵は点描で描かれています。あまりにゴーギャンらしさを感じられないこの絵は、署名されているにも関わらず、何人もの研究者が本当に彼の手によって描かれたものなのか疑念を抱いたらしいです。
様々なミステリアスを抱えたこの絵画は、見れば見るほど得も言われぬ気持ちが込み上げてきます。たまにはそんな気持ちに浸ってみては如何でしょうか。
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