ルソー「異国風景」

絵画販売ドットコムのブログをご覧いただきありがとうございます、ブログ担当の松田です。

今回はルソー: 異国風景についてお話したいと思います。

ルソー: 異国風景</

アンリ・ルソーは、印象派時代に活躍した素朴派の画家です。

ルソーの作品は、異国的な密林の情景や、都会の風景やその中に配した人物像などを描き、その夢想的な表現は、魔術的とも比喩されています。

異国風景は、1904年頃から精力的に取り組んだ、異国情緒あふれる熱帯風景を画題にした晩年の作品の一つです。
モチーフはナ、ポレオン3世とともにメキシコ従軍した時に得たといわれています。

鮮やかな原始林の緑と、抜けるような空の青のコントラストが明瞭に表れていて、強く惹きつけられる様な印象を受け、その鮮やかな原風景の中にある、柑橘類であろうオレンジ色の果実や赤い花、白い花が画面のそれぞれに散りばめられる事で、アクセントとなっています。

また、オレンジ色の果実をかじる猿や、連なって木にぶら下がる猿も、どこかユーモラスな部分がありつつも、生命の強さを感じるほどに生き生きと描かれています。

しかし、生命溢れるジャングルの風景だというのに、この作品にはどこか静寂な部分を感じずにはいられません。

異国風景を含む密林の画題は、実際にはほぼ想像で描いていたとされています。

つまりこの風景は、どこかにありそうだけれども、どこにもない風景とという事になります。

非現実性は少ないのに、実際は存在していない静かな異国風景。作品を見れば見るほど、まるで夢でも見ている様な錯覚を覚えます。

その幻想性こそが、ルソーの作品から伝わる独特な感覚であり、魔術的と比喩される理由なのではないでしょうか。

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