モネの散歩・日傘をさす女

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本日の絵画ブログは、モネの《日傘をさす女》について書かせていただきます。

モネ

モネの《日傘をさす女》は全部で3枚あります。
その中で1875年に描かれた1枚目だけ、モデルとなった人物の顔が分かるように描かれています。
そのモデルとなったのが、妻のカミーユと息子のジャンです。
光の中、日傘をさしてこちらを見つめるカミーユと、そのうしろに佇むジャン。
家族を持ったモネが、今自分の目に映る幸せを描いたのでしょうか。
しかし、その4年後カミーユは亡くなってしまいます。
そして7年後再びモネは《日傘をさす女》を描くことになるのですそれが残りの2枚です。
1886年に再び描かれた《日傘をさす女》は1枚目とは違い、モデルの顔がはっきり描かれませんでした。
これら2枚の実際のモデルは、後に再婚するアリスの連れ子だと言われています。
しかし、7年前に描いたカミーユの《日傘をさす女》と顔の向きなどが違うだけで同じ構図、
そしてかつてのカミーユと同じように帽子に白いドレスに身を包んでいます。
モネは生涯を通して自分の目で見た世界を描いてきましたが、この2作品だけは、心の中に残った記憶を元に描いたのです。
息子のジャンを描いていないのは、母親のカミーユとしか一緒に描きたくなかったのかもしれません。
この作品以降、モネは人物画を描いていません。
カミーユはモネにとって、最初で最後のモデルにしたいと思う女性だったのですね。

また、1枚目の《日傘をさす女》の方がまぶしく、なんだか生々しい現実感があります。
それはモネが「印象派」として実際に明るい戸外に出てイーゼルを立てて描いたからでもありますが、
モネの目に映ったカミーユやジャンが輝いて見えていたせいかもしれないと想像してしまいました。

1枚目はアメリカのワシントンナショナルギャラリー、2枚目と3枚目はフランスのオルセー美術館にそれぞれ寄贈されています。
なかなか実物を観るのは難しいですが、クレアネットの絵画ドットコムでは肉筆の複製画を販売しておりますので、チェックしてみてください。

モネ

→モネの《日傘をさす女》コチラ

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