ルソーが描いたジャングルは・・・実は?

絵画販売ドットコムのブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、アンリ・ルソーの『異国風景』について書かせていただきます。

『異国風景』を描いたルソーは、実はパリの植物園でスケッチしていた

今回ご紹介する『異国風景』は、フランスの素朴派の画家であるアンリ・ルソーが1907年頃に描いた作品です。
113.5cm×160cmのキャンバスに描かれた油彩画で、現在はアメリカのニューヨークにある、メトロポリタン美術館で所蔵されています。

『異国風景』はジャングルの密林をテーマに描かれており、緑に生い茂った草木や、南国らしいオレンジの果実が描かれています。
猿などのジャングルで暮らす動物たちの姿も描かれており、元気で明るい作品です。
しかし、ルソーが描いた『異国風景』のジャングルには、実際のジャングルには存在しない、観葉植物のような草木も描かれています。
実は、ルソーは一度も本当のジャングルを見たことがないのです。
ルソーは、パリの植物園で植物をスケッチして、それらを組み合わせて、独自のジャングルを描きました。
ルソーは、『異国風景』の他にも、ジャングルをテーマにした作品を多く描いていますが、それらは全てルソーが独自に作り上げた風景なのです。
 
ルソーは遅咲きの画家でした。
元々はパリの収税事務所で働いていたのです。
そして仕事が休みの日に絵を描く、日曜画家だったのです。
絵を独学で学んだルソーは、遠近法などがおかしい作品も多く、最初の頃は酷評されることも多かったそうです。
しかし、ルソーの作品には、温かみがあり、ルソーがもつ独特の世界観が描かれているので、現在では多くの人々の心を魅了しています。

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