モネの作品の中での人物画は風景画に小さく描かれている息子と娘、そして自分の妻と娘という形で描いているものがありますが、その人物画が描かれている場所は絵画全体の下の部分でメインではなかったりすることがほとんどで広がる田園風景の中に描かれていたり、ひなげしの花が咲く丘にポツンといる母と娘という形で描かれています。しかし、唯一人物をメインとして描かれているのが一作品だけあり、それは自分の妻を丘から見上げた作品です。「散歩、日傘をさす女」と名付けられているその絵には緑豊かな自然の中、気持ちのいい風にあたりながら散歩している妻がモネのほうを見えている作品です。風景をメインにしているモネにとって、人物画を描くことは勇気のいることだったと思われますが、愛しい妻は絵画に残しておきたいと思ったのかもしれません。晴れわたった空の下、少し日が傾きだした時間を描いています。黄緑色のきれいな日傘をさしている女性は白のドレスを身にまとい、表情は詳しく描かれていないものの天気のいい空の下で散歩をする姿が非常に愛らしく描かれています。風に揺れる白のドレスが美しく、また日傘をさしながらも帽子もかぶっておりその時代の服装の特徴がはっきりとわかります。日傘の女性は髪が長くおそらく後ろで三つ編みに結んでいるのでしょう。風に髪の毛が揺れることがくおとなしくしていることもわかります。生涯の伴侶であった自分の妻と描いた作品は愛おしさで溢れた作品となっています。
【絵画販売ドットコムでの代表的作品】
モネ：印象 日の出
モネ：散歩 日傘をさす女
モネ：サンラザール駅
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