椅子にこだわった画家はゴッホだけではないかと思えるほど他に類を見ないモチーフです。描いた椅子は座る主を待ちわびながら、さすがゴッホといえるほどの存在感を発揮しています。
パリでは日本ブームが巻き起こり、日本へ行くことを切望した芸術家たちが数多くいました。パリに移り住んだゴッホも浮世絵に感銘を受け日本へ憧れた画家であり、南フランスのアルルは日本のように美しいだろうと考えたゴッホは仲間と共にユートピアを作ろうと夢見ます。
経済的に楽ではなかったにもかかわらず仲間のために家を借り、椅子を12人分用意して待ち、そこで語り合うことを心から願っていました。12はキリスト教の使途の数であり、この発想にゴッホは高揚していました。
絵は「ゴッホの椅子」と「ゴーギャンの椅子」の2点があります。
見比べるとゴッホの椅子のほうが直線的で、簡素ですが椅子の存在感をひきたたせるための背景の扉の青緑色、床の茶褐色が大変鮮やかです。
「ゴーギャンの椅子」は肘掛がついた曲線的なやや豪華なもので蝋燭と知性を漂わせる本が置かれています。火のついた蝋燭は夜であることを示すと同時に、炎のゆらぎは画家としての人生の光と影、そしてはかなさを暗喩しています。椅子でありながら肖像画のようなこの作品はどれほどゴーギャンを待ちわびていたのかがうかがえます。
畳文化の日本人には椅子の文化は浅いのですが、ゴッホにとって座る人を暖かく包みこむ母親のような存在であったのかもしれませんね。
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ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ (1853年3月30日 – 1890年7月29日)
ゴッホは、自身の熱い思いを伝える激しい筆遣いと鮮やかな色彩は独特な絵画スタイルで知られ、
その劇的な生涯と共に世界中で最も人気を集める画家です。
【絵画販売ドットコムでの代表的作品】
ゴッホ:ひまわり
ゴッホ:夜のカフェテラス
ゴッホ:アルルの跳ね橋
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