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今回はゴーギャン「ハムのある静物」について記載してみます。
アルルにてゴッホとの生活を終えた後、ゴーギャンはブルターニュに移り住み20枚の静物画を描きます。ゴーギャンといえば南国の雰囲気を伝えるタヒチの女性の絵が有名ですが、この時期静物画を好んだのは人間関係に疲れていたためかもしれません。「ハムのある静物」もそのひとつです。
金属の平たい皿に置かれた巨大なハムの色鮮やかな存在感。添えられたたまねぎとワイングラスがその大きさを引き立たせます。しかしテーブルを支える足があまりにも細く不安定であり、あたかも宙に浮いているかのようで、見るものをなにか不安な気持ちにさせます。
まさにゴーギャン自身の揺らいだ気持ちを表しているようです。
そして、ハムの質感とは異なり単純化した背景にはゴッホの影響と思われる鮮やかな黄色が使われています。そして暗く強い色で描かれた鎖のような3本の細い模様が裂け目のようにアクセントになっています。
硬質な金属皿と対比し、ハムが見事な質感で表現され「食」への欲求が強く感じられるこの作品をレストランなどに飾っていただいてはいかがでしょうか。
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