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今回はルドン「輪光の聖母」について記載してみます。
この作品はルドンを代表する宗教主題作品の一つで、またこの作品が書かれたのはルドンが黒の時代を経て、色彩を見出す直前、もしくは直後だと言われており、イエスの母にして聖母であるマリアが小船に乗りながら闇の中で光輪の眩い光に包まれる姿を描いた作品です。
画面の左端に書かれたマリアの表情やしぐさは、あまりにも強い後光を浴びてしまい深い影の中に包まれて判別することはできません。しかし、そのまばゆいまでに輝く輪光の光によってシルエットだけが幻想的に浮かんでいる神秘的な作品です。
またその光を浴びて、船の先から延びる草の蔓が黄金色に輝き、まるで聖母を導いているかのように感じ取れます。
この作品に対してルドンは「暗く褐色の空に紫と茜色の雲。左側の小船には後光に照らされた人物が乗っており、船首からは金色の草の芽のようなものが伸びている。燐光のようなものを放つ青い水の上には鬼火のようなものがある。」と述べています。
この作品の明暗の強い対比による神秘性の効果的な表現や心象的な感動を惹き起こす光の用法は、ルドンの色彩家としての才覚を明確に感じることができる作品だと言えます。
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