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今回はルソー「異国風景」について記載してみます。
素朴派を代表する画家アンリ・ルソーの最晩年の作品の「異国風景」です。
描かれているのは、作品の題名通りの異国の風景で、ルソーが1904年ごろから精力的に取り組んだ画題である、異国情緒あふれる熱帯の密林の風景です。
鮮やかな熱帯植物のみずみずしい緑色と見事なまでに淡く透き通るような青い空はルソーの歴代の作品の中でも随一で、見るものを強く惹きつけます。
木々の緑だけでなく白い花や、赤い色の花の植物など様々な色が描かれています。
また画面中央左の木にぶら下がる三匹のサルは実に生き生きと描かれており、登った木から落ちる様など非常に躍動てきです。
そこからさらに右に視線を移すと白い毛のもう一匹が柑橘系の実を口元に運んでいる姿が見られ、その構図の躍動感もさることながら、独特の構成はルソーならではの個性に富んでいます。
しかしこの作品は、活き活きと描かれているにかかわらず、画面全体からはかもし出されている雰囲気や私たち見る側が感じる印象はある種の幻想性と密林の静寂だと言えます。
この作品から伝わる独特な雰囲気や感覚こそルソー作品すべてに通じる魅力であり、本作はそれが顕著に感じられてる代表作と呼ぶにふさわしい作品の一つです。
素朴派には写実的な作品が多くみられる中、ルソーは前衛的な要素も非常に強く見られます。
その素朴派のリアルな描写の中に幻想性をかもし出す独特の画面構成や、要素の配置などアカデミックの画家とは異なる世界作りこそアンリ・ルソーの作品であり、その代表的な作品がこの「異国風景」なのです。
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