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今回はフェルメールの「デルフトの小路」についてお話したいと思います。
17世紀オランダ絵画黄金期を代表する風俗画家
ヨハネス・フェルメール。
現存する作品点数は非常に少なく、その中でも風景画は
二枚のみでした。
今回紹介するのはその内のひとつです。
風俗画家として名高い彼にとっては珍しいこの作品。
しかし細部に目をやると、洗濯をする女性や、
道端に座る子供などの姿があり、当時の生活が宿っています。
当時の、日常的な人々の暮らしを絵画として切り取ったかのようです。
技術に関しても、驚くほど精密に描かれた赤煉瓦の風合いは、ため息が出そうです。
住居上部の赤褐色と、下部の白色との対比が美しく、
窓の緑、青がアクセントとなっています。
空に広がる雲も、どこまでも柔らかそうに描かれていて、
穏やかでありながら、どこか切なげにも感じられます。
この作品は、彼の故郷デルフトで描かれました。
正確な位置情報までは解明されていませんが、
この絵画は、1654年に起きた火薬庫爆発事故を受けて、
彼の思い出深い街の情景を残すために描かれたと推察されています。
彼の故郷を称える気持ちが、ふんだんに盛り込まれた絵画です。
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