「ひなげしの小径」に見るモネの光の画家ゆえん

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本日の絵画ブログでは、モネの《ひなげしの小径(こみち)》について書かせていただきます。

モネが好んで書いた土地

佐伯祐三
ヴェトイユのサン・マルタン島はセーヌ川の中州にある島です。
サン・マルタン島にはひなげしが広がる広大な草原があり、モネはこの草原をモチーフにした作品を多く残しています。
《ひなげしの小径》もヴェトイユのサン・マルタン島で描かれました。

印象派を作ったモネ

「印象派」という言葉を作ったモネは、目に映った光を追うため、キャンバスとチューブ絵の具を持って、外で油絵を描きました。
戸外に出て描くことがまだ一般的でなかった当時、カミーユと息子のジャンはさまざまな土地を渡り歩き、訪れたサン・マルタン島のひなげし畑でも作品を描きました。
《ひなげしの小径》以外にもサン・マルタン島の風景画をたくさん残していますが、
「外界の光」がテーマだったモネの描いたひなげし畑の光に満ちた風景は、
モネが「光の画家」といわれるゆえんとなっています。

佐伯祐三
▲原寸大サイズ:80.0×60.0cm メトロポリタン美術館

モネの描く人物画の多くはカミーユと息子のジャンがモデルで、特にカミーユの死後
人物画を描くことはほとんどありませんでした。
このサン・マルタン島のひなげし畑のシリーズからは、
愛した家族と過ごす幸せな時間が、あたたかい光の描写に込められているように感じます。

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