オディロン・ルドンの『輪光の聖母』

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今回は、オディロン・ルドンの『輪光の聖母』について書かせていただきます。

『輪光の聖母』

今回ご紹介する『輪光の聖母』は、フランスの画家であるオディロン・ルドンが1898年に描いた作品です。
44.2cm×28cmの紙に描かれたパステル画で、現在はオランダのアムステルダムにある、ゴッホ美術館で所蔵されています。

『輪光の聖母』には、聖母マリアが、小舟に乗り、闇の中で光輪の眩しい光に包まれている姿が描かれています。
聖母マリアの表情や仕草は、深い陰影に包まれているため、全く認識することができません。

元々は、版画家としてデビューしたルドンでしたが、1890年ごろからは、徐々に版画やモノクロームの作品から離れ、パステル技法を用いた鮮やかな色彩の作品を描くようになりました。
『輪光の聖母』は、ルドンが黒の時代を経て、作品に色彩を用いる直前または直後頃に描かれた作品です。

ルドンの作品は、独創性が高いものが多いですが、それはルドンが幼少期、家族と離れて暮らした孤独が影響しているそうです。
残されているルドンの様々なエピソードからは、同時代の印象派などのライバルたちとの関係で、自分自身の見え方を意識し、戦力的な画家であったことも伝わってきます。

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