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今回はフェルメール代表作「牛乳を注ぐ女」について記載してみます。
オランダ絵画の歴史で最大の風俗画家ヨハネス・フェルメール。
フェルメール屈指の代表作が「牛乳を注ぐ女」です。
フェルメールの作品の中でも特に人気が高く、現在においても多くの人を魅了し続けている作品です。
描かれているのは当時の使用人階級に当たる女性が、牛乳を陶器の中に注ぎ込むという素朴な日常風景の一場面で、その表現の出来栄えは他に類を見ないものです。
この作品には、フェルメール様式の最大の特徴である、ポワンティエ技法（点綴法）が見られます。
これは一つの色の中に暗い部分と明るい部分を生み出すことで、その明暗が合わさり独特の滲みを生み出す技法です。
この技法の為にフェルメールは自身で絵の具の調合していました。
その光の効果はテーブルの上に置かれるパンに顕著に表れています。
後世のエックス線調査によって、同部分の絵の具層は三層に重ねられていることが分かっています。
三層に重ね塗る事で生まれる深みのある、透き通るような光の表現はフェルメール独自ものです。
また、左部の窓から室内に差し込んだ柔らかく、明るい光の描写の絶妙な加減や、画面全体を包み込む静謐な雰囲気も注目すべき点です。
女性の衣服や、テーブルに置かれている物の色彩豊かな黄色、青色、赤色と、背後にある白塗りの壁との鮮やかなコントラストは、見ている私たちにさわやかな印象を与えています。
またフェルメールは、牛乳の注がれている陶器の他に多くの食物をテーブルの上に並べる為に、テーブルはシンプルな長方形ではなく台形状に描いているのも空間を非常に巧みに利用しています。
このようにフェルメールは、美しい光に包まれて朝牛乳を注ぐ女性を、圧倒的な表現力で描きました。
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